悩みが解決した理由とは・・・
ここではこの物語のもう少し詳細な解説をしたいと思います。
この物語の主人公の中でどのような心理的なブロックが生まれそしてなぜ上手く行かない原因が作られたのかその理由について解説したいと思います。
父親がビジネスで失敗し家に引きこもるようになり働かなくなるという状況は主人公にとってはとてもインパクトのあるそしてショッキングな出来事でした。
この一連の出来事の中で形成された心理的なブロックは何かというと「成功してはいけない」というブロックです。
父親は成功を目指して色々なチャレンジをしたわけですが最終結果はビジネスで失敗するという結果に終わりました。
そうすると主人公の内面ではこのような考えが形成されます。
「父は成功を目指したから失敗をしたんだ、ということはそもそも成功なんて目指さなければこんな事にはならないんだ」という考えです。
このような考え方は一見すると合理性がない矛盾した考えのように見えます。
しかし、無意識下では合理性を重視しません。
「失敗したくない」という強烈なインパクトが出来上がると失敗を避けるためにてっとり早く方法を探し出します。
それが「成功しなければ失敗はない」という極端な考えを生み出すことになるわけです。
この後の物語で主人公はコーチとして活動をすることになりますがそのコーチングの契約が決まり収入が増えそうになると破談になったり、よい人間関係が築けそうになるとダメになるということを繰り返していました。
契約が決まることイコール成功すること
よい人間関係が築けるイコール成功すること
どちらにしても成功をすることなので本来は理想的な状態のはずですが「成功を目指すから失敗が待っている」という極端なブロックが出来るとそれらの合理性を無視してでも失敗を作り上げるということになります。
さらに言えば、成功した後の失敗も恐れていたとも考えられます。
つまり契約が取れて収入が増えるのはいいけれども、その後自分のコーチング技術が不足していてクレームを言われたら怖いなとか、あるいは技術不足で役に立てなかったらどうしようという収入が増えた後の失敗を考えていたかもしれません。
あるいは人間関係で言えばよい人間関係が築けるのはいいことだけれどもその人間関係において相手の期待に応えられない自分だったらどうしようとか、自分が相手にとって相応しくないというのが付き合って知ることになったとしたらどうしようとか、そういった恐怖があったかもしれません。
つまり成功した後の恐怖を考えた場合には「成功なんてしなくていい」という考えが作られるかもしれません。
このように心理的に強力なブロックが出来てしまうと、努力しても成功しないということが作られてしまいます。
心理的なブロックがあるというのは成功をすることにおいて大きなマイナスになるわけです。
では、一方で心理的なブロックが外れた理由についても解説をします。
この物語の中で主人公は父親の失敗した姿に強烈な痛みを感じていたわけです。
成功を目指し努力する度に無意識的な痛みを感じていたので主人公は行動しても失敗するということを繰り返していたわけです。
もっと極端な解釈をすると
「父親 イコール 痛み」
という図式が出来上がっていたわけです。
しかし、主人公が実際に父親と同じ立場になり色々な人から避難され強い痛みを感じた時に、同じ状況にいた父親は一人でこのつらい状況を耐え続けたわけです。
主人公にとってあのつらい状況をたった一人で耐えた父親はすごい人(ヒーロー)に変わったわけです。
ここで
過去の痛み
「父親 イコール 失敗」
が
「父親 イコール ヒーロー」
に変わり痛みがなくなったわけです。
痛みがなくなったわけですから今まで成功することにかけていたブレーキが無くなるという事になります。
その瞬間から劇的に人生が変わっていくということが出来たわけです。
つまりここでの大事なポイントは、人間関係においては人間関係が上手く行くことの痛みは何か?ということを考えて、その痛みの理由を見つける、そしてその痛みが実は痛みではなかったということに気づければ心理的なブロックが取れることになります。
さらに大事なポイントを言えば、過去に感じていたマイナスの出来事は実はマイナスでは無かったという事に気づかなければならないということです。
だからといって過去の出来事をポジティブに考えるという必要はありませんしそれは解釈を変えているだけなのであまり意味はありません。
思考で解釈を変えるというのは実は一番やってはいけない作業です。
そうではなく自分の内側から体験として過去の出来事が素晴らしい意味があったことに気づかなければならないということです。
法則なのに変わらない
世の中には人間関係で悩んだ時にその悩みの解決をしてくれる法則というのがあります。
引き寄せの法則や鏡の法則などが代表的な例でしょう。
このような法則を使ったのにも関わらず人間関係で変化が起きないと悩まれている方は多いようです。
私もそうでした、様々な法則を実践したのにも関わらず変わらない、それなりに感謝も出来たし、許すことも出来たし、ありがとうもたくさん言った、なのに現実の人間関係は変わりませんでした。
そして私のクライアントにもこれまでとても深刻な人間関係で悩まれていて色々な法則やスピリチュアルなことを試したのに改善しなかったと嘆いている人をたくさん見てきました。
では、これらの法則は効かないのでしょうか?答えはノーです。
法則である以上、ちゃんとやればちゃんと成果が出るはずです。
なのになぜ、本やセミナーに行って人間関係の悩みが解決出来る人と出来ない人の差が出るのでしょうか?
その答えはシンプルです。
それは、それぞれの人間関係の悩みの根源的理由が違うからです。
例えば今回の物語の主人公は父親 イコール 失敗を連想していたのでその痛みが原因で心理的なブロックがかかっていました。
事例で紹介した良太さんの場合は「自由」そして美佳さんの場合は「安心」でした。
つまり一人一人ブロックとなっている理由が違うのです。
一般的な許し、あるいは感謝だけだと悩みから解放される人もいますが解放されずに気分がスッキリした程度で終わってしまいます。
また今回の主人公やその他の事例のようにまるで魔法にかかったように相手や現在の状況が激変するほどの変化は起こせません。
大切なのは一人一人の今の問題を起こしている根源的な理由を探る事です。
根源的な理由を探る4ステップ
- ステップ1 過去の思い出の中で最高に楽しかった事、嬉しかった事、幸せを感じた事等、よい思い出を5つ思い出す。
過去の思い出の中でも最も印象的で心が動いた楽しい場面を5つ思い出して下さい。
- ステップ2 その時に感じていた感情を思い出す。
ステップ1の中で思い出した思い出の中でもっとも印象的だった場面を思い出して、その時にどのような感情を感じていたかを思い出して下さい。
※重要なのはステップ1で十分にその場面を再現して思い出せるか?です。
その時の感情に浸れるくらい可能な限りステップ1は丁寧にやります。
そしてステップ1が十分にできたらその時に感じた感情を単語にしてみます。
例えば
「安心」
「自由」
「感謝」
このように単語で表すとしたらどのような単語になるのでしょうか?考えてみて下さい。
もし単語で表しにくい方は文章でも構いません。
「とても大事に愛されていて守られていた」
等です。
ステップ1で5つの思い出を思い出してもらったわけですがその5つの中で今悩んでいる問題にもっともしっくりとくる感情を選んで下さい。
しっくりくるというのは、この選んだ感情のことを考えると悩みが軽くなるようなそんな感情の事です。
必ずしも、1番の思い出が、今の問題の解決に役立つわけではありません。
5つの思い出の中で今回の問題であれば4番目の思い出がしっくりくるなどその悩みに応じて扱う感情が違う場合もあります。
- ステップ3 感情を味わう
ステップ2で出た単語、あるいは文章を読んでみて感じてみて下さい。
十分に味わうことが大事です。
その単語を言ってみたり、その単語から連想される風景などが浮かべばそれを十分に味わって下さい。
- ステップ4 悩みや問題を改めて見つめて理由を考えてみる
ステップ3で感情を十分に味わったら、その感情に浸った状態で今ある問題を改めて見つめて考えてみて下さい。
もしかするとこの時点で今ある人間関係の悩みや問題はあまり重要ではないと感じられるかもしれません。
苦しさがほとんど感じなくなるかもしれません。
このステップにおいて今ある人間関係の悩みがなぜ起きたのか?を改めて考えてみるのもいいと思います。
そうすると人によっては理由がふっと浮かぶ人もいますし、理由なんて浮かばなくても心が軽くなっていれば成功です。
以上ステップ化をしてみましたが、先程申し上げたように一人一人理由は違いますのでこのステップでも根源的な理由が浮かばない人もいると思います。
だからといってがっかりしないで下さい、必ず理由はありますが長年自分の本当の心に上手に嘘をついてきたので見えなくなっているだけです。
ゆっくりと落ち着いた環境で時間を取って何度も自分の感情と対話をするということを心がけて下さい。
あなたの無意識にある根源的理由は1日も早く自分の存在を知ってほしいと願っています。
その声に素直に従えば自然と気づくことが出来るはずです。
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